理系女子の科学大好き

理系女子が科学の雑学などを書いていきます!

アイロンが不要なシャツの仕組み

最近、スーツを着る必要があって久しぶりにシャツに袖を通しました。

シャツというとアイロンがけがとっても面倒。それを解消する夢のシャツとして形状記憶シャツというのが発売されました。

家事があんまり得意ではない私はバリバリ使っているのですが、なぜしわが寄らないか考えたことありますか〜?

一旦気になり出すと好奇心が止まりません。ちょっと調べてみました。

形状記憶という言葉から形状記憶合金とういうのが思い浮かびますが、仕組みは全く違います。布と金属ですから当たり前と言えば当たり前ですが、形状記憶合金は素材そのものに秘密がありますが、形状記憶シャツは加工法に秘密があります。

そもそもなぜシワができるのでしょうか?

その秘密は繊維の分子構造にあります。

綿は天然素材なので繊維(セルロース)分子の密度にムラがあります。つまり目が詰まっているところとスカスカのところがランダムにあるわけですね。

このムラが選択した後のシワの原因となるのです。ですから、分子の安定している化学繊維はシワができにくいですよね。

ということは、できるだけ分子のムラがないように加工すれば良いわけです。現実的には密度の濃い部分を減らすのは大変なので、スカスカの部分を何らかの方法で埋めることで繊維のムラを無くし均一にしていきます。

昔は樹脂加工と熱処理を組み合わせたパーマネント加工とういう方法でムラを均一にしていましたが樹脂の影響で吸水性が悪く着心地が良くないという欠点がありました。

今はVP(Vapor Phase)と呼ばれる方法が主流になっています。これはホルムアルデヒドを主成分とするガスを繊維と反応させて架橋構造をつくることで隙間を埋めます。樹脂を使わないので綿本来の吸水性を失うこともなく着心地の良い形状記憶シャツになったというわけです。

しかしですね・・・

ホルムアルデヒドってあんまり良い印象のあるガスではありません。基本的に人体に有毒です。モチロン架橋構造になってしまえば別物ですから害はないですが、加工時のガスが繊維内に残っている可能性もあります。

そのため残留量は家庭用品規制法で定められいますが、過敏な人は気をつけましょう。

そういう人はアンモニアや水蒸気で加工したタイプもあるそうなのでそちらの方がよいかもしれませんね。